社内SEがいない
前職で営業も兼務していたこともあり、愛知県内の社員20名〜300名ぐらいの企業300社以上を訪問しましたが、
話を聞いてみると「社内SEがいない」企業がかなりの割合でした。
「総務が兼務」や「なんとなく詳しい人が兼務」する会社が何とも多いことです。
特に愛知県の場合、古くからある製造業の企業が多く目に見えないITに関する理解が弱い印象があります。
日米IT技術者ポジションの違い
経済産業省 | IT技術者の動向~IT人材白書から~
2015年3月25日 独立行政法人 情報処理推進機構 IT人材育成本部 田中 久也
によると日本と米国とでは、「ITベンダーに所属するIT技術者」と「ITベンダー以外に所属するIT技術者」との割合が完全に逆転しています。
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ITベンダーに所属するIT技術者 |
ITベンダー意外に所属するIT技術者 |
米国 |
28% |
72% |
日本 |
75% |
25% |
欧米では新たなソフト製品の発表会にはユーザ企業の技術者が押し寄せ歓喜する。日本ではベンダー技術者が押し寄せ舌打ちする。
とまで言われているようです。
社内にIT技術者がいないと何が起こるか
これは結構深刻な問題で社内にIT技術者がいる場合といない場合では下記のような差が生まれます。
ITに関するツールの取捨選択ができないため、外部業者の言いなりになり割高な投資をするリスクが生まれます。
システム導入に必要なプロセス |
社内にIT技術者 |
(A)いる1 |
(B)いる2 |
(C)いない1 |
(D)いない2 |
1.業務内容・問題課題の理解 |
社内対応 |
社内対応 |
社内対応 |
社内対応 |
2.1.を論理的に整理し問題解決のプロセスを描ける |
社内対応 |
社外に委託 |
社内対応 |
社外に委託 |
3.整理した内容を実現するための方法とツールの取捨選択ができる |
社内対応 |
社内対応 |
社外に委託 |
社外に委託 |
4.ITベンダーがそれを理解し最滝なシステムを提供または開発する |
社外に委託 |
社外に委託 |
社外に委託 |
社外に委託 |
今後企業に求められるIT人材と非IT人材のプログラマ的思考
一方、それだけでは足らず業務の問題課題を論理的に整理し問題解決のプロセスを描ける人材も必要です。
これには「業務知識」と「プログラマ的思考」が必要になります。
「プログラマ的思考」とは
- 情報の整理整頓する能力
- 問題解決の最短ステップを考える能力
- 長期的みて楽になる仕組みを作る
- 同じことを二度やらない(重複を嫌う)
などで、プログラマがプログラムを書く際に注意することです。
このような目線で業務の問題点を把握し整理して人に伝えられる能力を有する人がプログラマ的思考を持った人材です。
社内にいるIT技術者がある程度業務知識を有している場合には、この役割を兼ねることもできますが中々そのようなケースにはお目にかかりません。
どうすればいいのか?
一番良いのはITベンダーなどに勤務経験のある人を採用し長く努めてもらうことですが、そもそものIT技術者自体が不足していると言われているのでそう簡単には行きません。
これからの時代、専門知識を持った人材が一つの企業だけに属するのではなく、いくつもの組織に所属しながら働く形になってくると言われています。
昨今、社外取締役を採用する中小企業も増えてきました。ITに関しても技術顧問として社外の人材を起用することが先だってできることではないかと思います。